空飛ぶ車いす
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「車いす」は夢のまた夢でした(インドネシア)

大森工業高校のみんさんへ 輸送ボランティア 水坂かおり

  麻布の菅野さんから預かり、大森工業高校生が修理してくれた車いすは、インドネシア・バリ島タバナン地方のクディリのアユちゃんに届けました。村役場には「車いす」が欲しいという手紙がたくさん届くのだそうです。でも実際にその家庭を訪ねると「車いす」を必要とする人がいなかったり、生活に余裕がある家だったり。高価なものなので「売ってお金に」と考える人も多いようです。そんな依頼の山の中から、今回はアユちゃんが選ばれました。アユちゃんは7歳になる女の子。生まれてすぐ転落事故により歩くことはもちろん、言葉を話すことも、普通の食事もとれません。でも握り返してくれるアユちゃんの手は力強いのです。

  そんなアユちゃんを抱えてご両親は仕事も満足にできません。生活も苦しく、「車いす」の存在なんて夢のまた夢のような話・・・だったのに、降って沸いたような日本からの「車いす」の登場に家族中大喜びです。「車いす」が必要と認められても、1年や2年待たなければ「車いす」が届かないのが現状とのこと。それが願ってすぐ届いた今回。ご家族の方はもちろん、役場の方や村長さんまで喜んでくれていました。
アユちゃんと水坂さん 「車いす」に初めて腰掛けてみたアユちゃんは、今まで誰かの腕の中にいたのでチョット居心地が悪そうでした。 まだ子供なので「車いす」はすこし大きめ。そのへんはこれからクッションや枕で座り心地よく調整していくとご両親は嬉しそうに張り切っていました。そんな姿を見ていると、やがて座り慣れ、「車いす」で日向ぼっこでもしているアユちゃんの姿が簡単に思い描けました。1台の「車いす」が確実にたくさんの人のあたたかい想いを伝えていきます。